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シーマンシップとは?必要性や身につけるために必要なことを紹介

2024-07-02
船

船を操縦して航海するためには、船舶の免許だけでなくシーマンシップが必要です。

シーマンシップはボートや船舶と密接に関わる言葉であり、船舶免許の取得を検討している方は覚えておきたいことの一つとなります。

もともとシーマンシップは運用術として捉えられていた言葉ですが、最近は船を操縦するものが習得しておきたい心得や技術などを指します。

この記事では、シーマンシップの必要性や身につけるために必要なことを紹介します。

シーマンシップとは 

運転の様子

シーマンシップとは、海や船舶に関する幅広い知識を有し、安全な航行や人命尊重、危機対応などに適切に行動できる能力です。

もともとの意味は、海上で船を操船して運行する船乗りの業や能力ですが、実際にはスキルだけでなくマインドも含まれます。

船舶の免許を取得すると、自由に航海ができるようになる一方で、不確定要素の多い自然の中ではいつトラブルに巻き込まれるか分かりません。

どんな環境においても船に乗る仲間を守ることが優先されますが、そのために大切なことがシーマンシップです。なお、シーマンシップのシーマンは船員、シップはスポーツマンシップやリーダーシップのシップで、能力、状態、資質といった意味を持ちます。。

3Sの精神

シーマンシップは今に始まったものではなく、日露戦争後の海軍兵学校ではシーマンシップにおける3S精神が強調されていた歴史があります。

3Sとは、『Smart(スマート)』『Steady(ステディ)』『Silent(サイレント)』の頭文字を取ったものです。

海上は様相が一変しやすいこともあり、想定しない状況に陥ったときも、すべての措置を円滑に実施するために3Sが必要とされました。

サイレント(静粛)は、海軍が電気機器や風波で音がうるさい船内で任務を全うするために静粛が必要であるという考えに基づいています。

ステディ(着実)は兵器や機関、飛行機の機能安全などを確実に発揮することを意味するものです。

スマート(機敏)は瞬時に変わる戦況に即応し、敵艦を制するための迅速さが要求されるという考えが基本となっています。

シーマンシップが持つ2つの意味

かもめ

現代では、シーマンシップが持つ意味は大きく2つあります。ここでは、シーマンシップが持つ意味をそれぞれ解説します。

船乗りとしての技能

シーマンシップの意味の1つは、船乗りとしての技能を身につけることです。

船乗りとしての技能とは、運用術や航海術など航海のために必要なスキルであり、これらは必ず習得しておかなければなりません。

例えば、船乗りは船が今どこにいるかを推定し、目的地に到達するための進路や方向、速度を決定する必要があります。

また、航海ではボートや船舶を操縦する必要があり、幅広い知識を持って正確に安全に操縦することが求められます。

船乗りとしての素質・心がけ

シーマンシップのもう1つの意味は、船乗りとしての素質や心がけを大切にすることです。

ボートや船舶を操縦する方の中には、目的が仕事ではなく、遊びやプライベートという方もいるでしょう。

「素質や心がけはそこまで必要ないのでは?」と感じるかもしれませんが、いつ何が起こるかわからない海上においては、マナーやルールを守る心がけは重要です。

実際に、シーマンシップを意識せず軽い気持ちで海上に出る人や、マナーを守らない人もいますが、海上に出る際には、ぜひシーマンシップの精神を忘れないようにしましょう。

シーマンシップを身につけるために必要なこと 

運転の様子

シーマンシップを身につけるためには、さまざまなスキルを習得しなければなりません。ここでは、シーマンシップを身につけるために必要なことを紹介します。

先見性

シーマンシップにおける先見性とは、環境条件の急激な変化や突発的な事象などの要点を把握し、起こりうる事態を予測して回避する力です。

船乗りは海上という制限された環境下において、人や物、時間を最大限に活用し、適時適切に対応しなければなりません。

そのためには、気象や海象などの変化を適切に把握し、航行できるかどうかを判断する必要があります。

自身の能力を超えた無理な航行を行い、それによって事故を起こして周囲に迷惑をかけることは避けなければなりません。

先見性を身につけるためには、着眼点を誤らずに正しい処置ができるように、事前準備やセカンドオプション(もうひとつの選択肢)が重要です。

日常では5分前の精神を大切にし、物事を後回しにせず、先に行動することによって先見性も自然と身につきます。

確実性

シーマンシップにおける確実性とは、やり直しが難しい海上作業において、一人ひとりが意識して確実に作業をこなすことです。

例えば、係留索は結び方が不十分で解けてしまうことがあれば、係留のやり直しが必要となり、自船や他船を危険な状態に巻き込む可能性もあるでしょう。

どういった状況でも落ち着いて物事を判断し、落ち着いて確実に行動できるようにしなければなりません。

海上での動作や行動は、気のゆるみが大事故につながる可能性もあります。そうならないためにも、一つひとつの動作に責任を持って確実に遂行していくことが大切です。

迅速性

シーマンシップにおける迅速性とは、海上という制約された環境下で安全かつ効率よく作業を行うために、速やかな行動や判断を下せる能力のことです。

海上では、タイミングを逃してしまうと取り返しのつかない重大な事故を招く可能性があります。

例えば、天気の急変の予兆が現れた際に「もう少ししたら帰港しよう」という判断を下してしまい、避難が遅れてしまうこともあります。

そのため、刻々変化する状況に応じて臨機応変に対応し、適切な判断を下して、無駄のない動作で処置をしなければなりません。

迅速性を身につけるためには、どんな状況でも適切に判断して躊躇なく行動できるように幅広い知識を習得することが大切です。

また、日頃から身の回りの諸事を整理し、気がついたことは直ちに実行するようにしましょう。

質実剛健

シーマンシップにおける質実剛健とは、海上の不便さに耐え、厳しい外的環境において対応する能力のことです。

協同連帯意識を高めるために言い訳をせず、使命を達成するための責任ある行動が要求されます。

そもそも、質実剛健は飾り気がなく真面目であり、肉体的にも精神的にも強くたくましいという意味の言葉です。

海上は陸上に比べて不便に感じることも多いですが、その環境を受け入れて、柔軟に対応する必要があります。

冒険心

シーマンシップにおける冒険心とは、どんな事態が発生しても、サバイバル精神と創意工夫を持って船舶と自己の安全を図らなければならないことです。

海上には多くの危険が潜んでおり、出航の前には細かく計画を立て、出航したあとには計画を大胆に実行していく必要があります。

自然が相手では、人間の能力が極限状態に達しても耐え得る強い精神力と勇気が欠かせません。

冒険心を習得するためには、弱音や泣き言を吐くことなく、忍耐強く最善を尽くして最後までやり抜く芯の強さが必要です。

また、普段から何事にも真剣に取り組んで諦めないことも大切で、前向きなチャレンジ精神を持ちましょう。

節度

シーマンシップにおける節度とは、お世話になる港湾関係者や港町に住む人たちに感謝の念を持って行動することです。

荒天の海を乗り切って帰港した際に、安心感やおごりから、その場にいる人たちの行動が粗暴になったり、思いやりがなくなったりする場合があります。

そうならないためにも、きちんとした態度動作を身につけて礼儀を守り、なおかつ服装容儀を保ちましょう。

また、常に船内を整理整頓して限られたスペースを有効活用することも大切です。

船舶を操縦する際には外国との関わりが出てくる場合もありますが、広い視野を持って節度をもった対応を行う必要もあります。

自身が外国に行く際には、その船のそのクルー(乗組員)の態度や動作がふさわしいものでなければなりません。

シーマンシップは船舶免許取得の過程で学べる 

免許

シーマンシップを身につけたいと思っても、何から学んだらいいかわからないと思う方もいるでしょう。

船乗りに必要なシーマンシップは、船舶免許の取得過程でその一端を学ぶことができますが、その後の様々な経験を通して知識や技術を積み重ねて身に付けていくものです。

船舶免許の学科で学べること

船舶免許を取得するためには、学科試験に合格しなければなりません。

学科試験の内容は取得する船舶免許の種類によって異なり、2級小型船舶免許の場合だと以下の科目から出題されます。

  1. ① 小型船舶操縦者の心得及び遵守事項
  2. ② 交通の方法
  3. ③ 運航

小型船舶操縦者の心得及び遵守事項では、陸上交通との違いや事故発生状況、海のマナー、船長の役割と責任など12分野を学びます

交通の方法は、船の交通ルール、基本となる航法、狭い水道の航法や港内での交通ルール、海上交通安全法など14分野です。

そして、運航では小型船舶の操縦特性や、航海計器、航路標識、ロープの取り扱いなど24分野があります。気象の知識や天気図の見方、エンジンの保守点検や取り扱いなども含まれ、いずれも船舶を安全に操船するために必要な知識です。

1級小型船舶免許の場合だと、上記に加えて海図問題やエンジン各部の名称、役割、故障時の対処法、点検なども学びます。

このように小型船舶免許の学科講習や学科試験を通し、船舶の運航やマナー、交通方法など、シーマンシップに必要な最低限の船舶運用に関する知識を習得できます。

船舶免許の実技で学べること

船舶免許を取得するためには実際に船舶を操縦し、実技試験に合格しなければなりません。

実技試験の内容は取得する船舶免許の種類によって異なり、1級・2級小型船舶免許の場合だと以下の科目から出題されます。

  1. ① 小型船舶の取扱い
  2. ② 基本操縦
  3. ③ 応用操縦

小型船舶の取扱いでは、船体や操縦席、エンジン、法定備品の点検をはじめ、エンジン始動や暖機運転、エンジン停止、係留などを行います。

基本操縦で学ぶことは、安全確認、発進や増速、変針、後進、停止、蛇行など船舶の操縦に必要な最低限のスキルです。

応用操縦では他船との衝突回避の操船(避航操船)や落水者発見時の人命救助、着岸、離岸など、事態に対応するためのスキルを学びます。

このように小型船舶免許の実技講習や実技試験では、船舶操縦に必要な技能の練習を通してシーマンシップの初歩を習得していきます。

シーマンシップを身につけるなら登録小型船舶教習所がおすすめ

船舶免許は自身で勉強して習得することも可能ですが、シーマンシップを養うための正しい知識や技能を身につけるなら登録小型船舶教習所がおすすめです。

登録小型船舶教習所は国土交通省の登録を受けており、国家試験の代わりに修了審査を受けて資格取得ができます。

教員資格を有している講師に質問できるため、わからないことがあっても正しく教えてくれるため安心です。

また、登録小型船舶教習所の場合は既定の講習時間の受講が義務づけられているため、確実に知識やスキルを習得できるメリットがあります。

一方、本を読んだり学習したりするのが得意な方は、独学で学科の国家試験を受けて、実技だけ講習や修了審査を受けることも可能です。

さまざまな選択肢があるという点でも、船舶免許を取得する場合は登録小型船舶教習所をおすすめします。

まとめ

この記事では、シーマンシップの概要や必要性、身につける方法を解説しました。

シーマンシップは、海や船舶に関する幅広い知識を持ち、安全な船舶航行や人命尊重、危機対応を行うための能力です。

海上で予期せぬ事態が起こったときに、迅速に行動や対応できるためにも、船乗りはシーマンシップを身につける必要があります。

特に先見性、確実性、迅速性、質実剛健、冒険心、節度の6つは、シーマンシップを身につけるために必要な要素となるため覚えておきましょう。

また、シーマンシップは船舶免許の取得だけで完成するような単純なものではありません。常に知識や技術の習得を積み重ねていくことが重要です。

正しい知識や技能を習得するなら、国土交通省に登録されている登録小型船舶教習所で学ぶのがおすすめです。

船舶免許のことなら、滋賀ボート免許センターにお任せください。

当センターは登録小型船舶教習所で、経験豊富なスタッフが合格まで徹底サポートします。

試験に合格するだけでなく、そのあとの航海に必要となるシーマンシップの初歩として正しい知識や技術を身につけていきます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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