エンジン付きのボートやヨットを操縦するためには船舶免許が必要です。
船舶免許があれば、クルージングやボートフィッシングなどマリンレジャーの選択肢が増えます。また、仕事によっては船舶免許が必要になる場合もあるでしょう。
「船舶免許に興味があるけど何だか難しそう」「船舶免許を取るのは大変そう」と感じる方もいるのではないでしょうか。
船舶免許は難しいものではなく、ボートスクールや登録小型船舶教習所でしっかり学べば誰でも取得できます。
この記事では、船舶免許の取り方や取得までの流れ、かかる日数を紹介します。
船舶免許の取り方
船舶免許は独学での取得も不可能ではないものの、ボートスクールや登録小型船舶教習所に入校するのが一般的です。
ここでは、船舶免許の取り方を紹介します。
ボートスクール
ボートスクールでは学科講習と実技講習を受け、国家試験を受験して免許取得を目指していきます。
ボートスクールには教員資格の有無、船舶の設備などの基準がなく、講習内容や費用もスクールごとに異なるのが特徴です。
国家試験に落ちた場合は再度受験しなければなりませんが、そのあとのフォローの有無もボートスクールごとに異なります。
ボートスクールによっては簡単な講習のみを行い、初回国家試験受験後のアフターフォローが受けられない可能性もあるため注意しましょう。
ボートスクールを利用して船舶免許を目指す場合は、実績や評判を事前にしっかりチェックしておく必要があります。
登録小型船舶教習所
登録小型船舶教習所は国土交通省の規定を満たし、規定時間の講習を受け、学科と実技の修了試験に合格すると国家試験が免除されます。
つまり、登録小型船舶教習所は国家試験を受講する必要がないため、一つの場所で船舶免許の取得を完結できるというわけです。
有資格者の教員や試験官が在籍しており、質の高い学科講習や実技講習を受けられます。
修了試験に落ちても、独自のスケジュールで再試験ができるシステムがあるため、短いスパンで再試験が受けられる点も魅力です。
国家試験の場合だと事前に決まっている日程や場所に足を運ぶ必要がありますが、登録小型船舶教習所ならその手間はかかりません。
また、登録小型船舶教習所のなかには実技講習と実技試験だけ受講し、学科試験は自習で国家試験を受けて合格を目指すコースを設けているところもあります。この場合だと、通常よりも費用を抑えて船舶免許を受講することが可能です。
独学で取得
船舶免許は年齢と身体適正基準を満たせば、自身で学習して国家試験を受け、免許取得を目指すことが可能です。
しかし、学科試験は独学で勉強して試験を受けて合格できても、実技試験は実際にボートを操縦できないと試験に合格できません。
そのため、独学で船舶免許を取得するためには、ボートを所有している人が身近にいるなどボートの操縦を練習できる環境が必要になります。
ボート実技試験の動画がネットでも拡散していますが、やはり実際にボートを操縦して練習しないと実技試験の合格は難しいと言えるでしょう。1回の国家試験で合格できなければ何度も受験しなければならず、費用もかさんでしまいます。
このようなリスクがあるため、船舶免許を独学で取得するのは避けた方がよいでしょう。
船舶免許取得の流れ
船舶免許の取得を検討している場合、まずは取得する免許の種類を決め、そのあとの大まかな流れを知っておきましょう。
ここでは、船舶免許取得の流れを紹介します。
船舶免許の種類を決める
船舶免許には以下の4種類あるため、目的や用途に応じた免許を選びましょう。
種類 | ボートの大きさ | 航行範囲 |
---|---|---|
1級小型船舶操縦士免許 | 総トン数20トン未満プレジャーボートは24m未満 | すべての海域 |
2級小型船舶操縦士免許 | 総トン数20トン未満プレジャーボートは24m未満 | 平水区域および海岸より5海里(約9キロメートル)以内 |
2級(湖川小出力限定)操縦士免許 | 総トン数5トン未満(出力15kW≒20馬力未満) | 湖・川および指定区域 |
特殊小型船舶操縦士免許 | 水上オートバイ(水上バイク) | 陸岸より2海里(約3.7キロメートル)以内 |
一般的には2級船舶免許を取得される人が多く、マリンレジャーを楽しむには2級で十分です。
1級船舶免許との違いは航行範囲に上限がある点です。
1級と2級でボートの大きさに違いはないため、沿岸でフィッシングやクルージングを行う場合であれば2級船舶免許でも十分でしょう。
また、2級船舶免許を取得してからでなければ1級船舶免許が取得できないルールはなく、いきなり1級船舶免許を取得することも可能です。
将来的に外洋でのクルージングやフィッシングを楽しんでみたいと考えている場合は、最初から1級船舶免許を取得するのもよいでしょう。
一方、湖やダムを中心としたボートフィッシングであれば、2級(湖川小出力限定)船舶免許でも問題ありません。
水上バイクに乗りたい場合は2級や1級では操縦できないため、特殊小型船舶免許を取得する必要があります。
海上でボートと水上バイクをそれぞれ操縦したい場合は、2級もしくは1級小型船舶免許と特殊小型船舶免許を合わせて取得しましょう。
受験資格を調べておく
取得したい船舶免許が決まったら、次に受験資格を調べておきましょう。
船舶免許の受験資格は1級小型船舶免許は満18歳以上、それ以外の船舶免許は満16歳以上となっています。
船舶免許は、資格ごとの年齢条件をクリアしていれば受験可能ですが、視力が0.5以上であることや、船舶の操縦に支障があるような疾病や障害がないことなどの身体適正基準がありますのでご注意下さい。
また、すでに船舶免許を取得していて他の免許を取得しようとする場合は、試験が一部免除になることもあります。
例えば、2級小型船舶免許を取得していて1級小型船舶免許を取得しようとする場合は、国家試験の実技と学科の一部は免除です。
取得方法を決める
受験資格に問題がなければ、次に船舶免許の取得方法を決めましょう。
安心して船舶免許を取得したい方は、国土交通省の規定を満たしている登録小型船舶教習所がおすすめです。
登録小型船舶教習所なら、学科講習や実技講習を規定された時間でしっかりと受けることができ、講習終了後、その場で学科試験や実技試験を受けることができます。
また、費用を抑えたい場合は学科のみ独学で受講できるコースが用意されている登録小型船舶教習所を選ぶのもよいでしょう。
身体検査を受ける
船舶免許を取得するためには、身体検査を受けて合格しなければなりません。身体検査の内容は以下の4つです。
- 視力
- 色覚
- 聴力
- 疾病及び身体機能の障害
身体検査は、国家試験免除で船舶免許の取得を目指す場合は、事前に医療機関で検査を受ける必要があります。
国家試験を受けて船舶免許を取得する場合は、学科試験日当日に会場で身体検査を受けます。
学科試験を受ける
船舶免許の学科試験は、国土交通省が規定している『小型船舶の航行の安全に関する教則』の範囲から出題されます。
1級は64問、2級は50問、特殊は40問出題され、出題形式は四肢択一式となっており、2級(湖川小出力限定)は正誤式です。
登録小型船舶教習所は国家試験免除ですが、修了試験があり学科の範囲や出題形式は国家試験に準じた形となります。
各試験とも科目ごとに半分以上の正解、なおかつ合計問題数の65%以上の正解で合格です。国家試験を受ける場合だと落ちた際には、再受験料の支払いと再受験が必要となります。
国家試験免除のコースであれば、再修了試験の受講となりますが、プランによっては追加費用がかからない場合もあります。
実技試験を受ける
船舶免許の実技試験では、実際にボートや水上オートバイを操縦します。
採点の範囲は、出航前の準備や発進から蛇行、人命救助、後進から着岸と幅広いため、実技講習の際にしっかり学んでおく必要があります。
実技試験の採点方式は減点方式が採用されており、300点からスタートして試験終了時に210点以上あれば合格です。
実技試験に不安がある場合は、国家試験免除で免許取得を目指せる登録小型船舶教習所がよいでしょう。
登録小型船舶教習所のコースによっては、追加料金なしで実技の補習を受けられるところもあります。
免許証の交付
国家試験や修了試験に合格すると、免許証の交付が行われます。
ボートスクールや登録小型船舶教習所に入校していた場合、代行で免許証発行の手続きをしてもらえるのが一般的です。
独学の場合は試験合格後に発行される合格証明書と、申請書類を添えて、合格した日から一年以内に最寄りの運輸局に免許申請を行いましょう。
免許証を受け取ったら、免許の種類に応じたボートや水上オートバイの操縦ができます。
なお、船舶操縦の際は船舶免許証の携行が義務づけられているため、手元に免許証が届くまでボートや水上オートバイの操縦はできません。
試験に合格してから免許が発行されるまでの期間は、ボートスクールや登録小型船舶教習所によって異なりますが2週間から3週間くらいかかります。
夏のレジャーシーズンに合わせて船舶免許を取りたいなど、取得したいタイミングが決まっている場合は、合格後にどれくらいの期間で免許証が交付されるか確認しておきましょう。
船舶免許の取得で押さえておきたいポイント
ここでは、船舶免許の取得で押さえておきたいポイントを紹介します。
船舶免許の取得にかかる日数
2級小型船舶免許や特殊小型船舶免許ですと取得にかかる日数は最短2日です。
ボートスクールですと、学科講習と実技講習は同日に1日で受けられるところもあり、国家試験(学科と実技)も1日で受けられますので、合計で最短2日間となります。
一方、登録小型船舶教習所の国家試験免除で船舶免許の取得を目指す場合だと、取得までの日数は登録小型船舶教習所のカリキュラムによって異なりますが最短で2日から3日間です。
船舶免許の取得にかかる日数を知りたい場合は、事前に登録小型船舶教習所に確認しておくとよいでしょう。
船舶免許の難易度
船舶免許の難易度はそこまで高くなく、合格率は80~90%です。
ただし、しっかり講習を受けての合格率となるため、勉強していないと合格できる可能性はさらに低くなるでしょう。
また、免許の種類によっても難易度は異なり、1級小型船舶免許が最も難しい船舶免許です。
合格率はボートスクールや登録小型船舶教習所でも異なるため、確実に合格を目指すためには、合格率が高いところを選んで入校するのもよいでしょう。
試験に落ちた場合
船舶免許の試験に落ちた場合、その後の対応はボートスクールか登録小型船舶教習所のコースによって異なります。
ボートスクールで講習を受けて国家試験を受ける場合だと、国家試験を再受験して合格しなければなりません。
最初の試験で学科、もしくは実技が合格している場合、2年間が合格の有効期限となります。
この期間中であれば、落ちてしまった科目の国家試験を再受験して合格すると、船舶免許の取得が可能です。
ただし、再受験する度に受験料が発生するため、予想外の出費が発生する点には注意しましょう。
登録小型船舶教習所で国家試験免除のコースだと、修了試験が不合格となっても、合格するまで何度でもチャレンジできます。追加料金不要で合格するまで修了試験を受けられる場合もあり、この場合だと余計なコストがかからないメリットがあります。
試験に不安を感じる方は、登録小型船舶教習所で国家試験免除のコースを受講するのがおすすめです。
まとめ
この記事では、船舶免許の取り方や取得までの流れ、かかる日数を紹介しました。
船舶免許はボートスクール、登録小型船舶教習所、独学の3つの取り方があります。国家試験免除や、学科だけ独学で国家試験の合格を目指し、実技試験免除で船舶免許の取得を目指したい方には、登録小型船舶教習所がおすすめです。
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